コーチングの目的は、コーチ個人の考えやどんなタイプのコーチングによって表現は異なりますが、共通する要素として、クライアントが今持っている力だけではなく潜在的な力も含め自分の能力を高め、設定した目標を達成するのを支援することにあります。ちなみに、コーチというのはもともと馬車のことを指し、そこから転じて人や荷物をその人の望むところまで連れていくという意味を持つようになりましたが、まさにその人が行きたいところに行くのを助けるという考えが前提にあるのです。

では、コーチは目標に向かって進むクライアントに対してどのようにサポートをするのでしょうか。それは、コーチングの定義をいくつか見てみるとわかりやすいかと思います。国際コーチ連盟は、コーチングを「クライアントの個人的および職業的なポテンシャルを最大化するために、思考が刺激されるような、創造的なプロセスをクライアントと共につくっていくこと」と定義しています。

また、GROWモデルの開発者としても有名なジョン・ウィットモアはコーチングの定義を「コーチングとは、人々のパフォーマンスを最大化するために、その個々人の持つ潜在能力を解き放つことである。教えるよりも、むしろ自ら学ぶことを支援するものである」としています。つまり、コーチは目標に向かい進んでいくクライアントにどう進めばいいのかを教えるのではなく、クライアント自身が目標達成に必要なものを見つけ出し、それを身につけていくことをコミュニケーションを通してサポートするのです。

ただ、コーチングの目的は目標達成、個人の能力開発や成長の促進にありますが、私はその最大の本質はクライアントが仕事やプライベート、人生において必要な選択ができるようになることであり、それはすなわち自分の人生を幸せに生きることができるようになることだと思っています。目の前の課題解決や目標達成にとどまらず、今後様々な問題が起こった時にどう対処するか、もっと良い状態を手に入れたいと望んだ時にどう考え、何を選択して、行動すればよいのか、それが分かるようになることがコーチングの最大のメリットなのだと考えています。