未来志向で進む
コーチングは、現状からどんな未来をつくっていくか、とても未来志向のアプローチです。基本的にはコーチングセッションでも、問題や課題にフォーカスするよりそこからどんな状態を作っていきたいかにフォーカスし、そこに辿り着くには何が必要で、今何から始めるべきかを具体化していきます。
進み方
コーチングの構造で触れたようにテーマやクライアントの特性、希望、その時の優先順位によって異なりますが、基本的には下図のようなフローで進みます。
それぞれの段階で、コーチが質問をして、クライアントが次のステップに進みやすくなるようにサポートしていきます。ただ、この段階も固定されているわけではなく、これを終えてからでないと次のステップに行けないといったものではありません。ギャップが生じている要因を考えていると次のやるべきこと(行動目標)が見えてきたり、アクションを起こしてから自分の癖に気づくといったこともあります。
コーチとクライアントの関係
そしてもう一つ、コーチングというと「コーチが質問してクライアントから答えを引き出す」と言われることがよくあります。ただ実際は、コーチとクライアントの関係は、一方が質問をしてもう一方が答えを出すといった、完全に役割分担されたものではなく、どちらかというと二者の間に「問い」を置いて、それに向かって一緒に答えを出す関係性といった方が近いのです。
それぞれの段階における問い
では、具体的にはどんな問いが置かれるのでしょうか。ここに挙げているのは、それぞれの段階でよく置かれる問いですが、実際にはコーチはとても表には入りきらないほどの種類の問いを持っています。コーチングセッションでは、会話の目的によって、深く考えさせる問い、意思を固めるための問い、選択肢を作るための問いなどさまざまな問いが置かれることになります。
何をする? | 問い(例) | |
導入 | その日話したいテーマを決める | ・今何を扱うことがあなたにとって重要? |
理想状態 の明確化 | これからどうなったらいいかを考える | ・本当はどうなったらいい? ・全て叶うとしたらどんな状態が理想? ・何が起こると理想状態が叶ったといえそう? |
現状の 確認 | 今どう感じているか、何が問題になっているか等の情報共有 | ・それに対して今どう思っている? ・(理想状態)からみて、今の状況はどうなっている? |
ギャップの確認 | 理想状態にいくまでに何がいるのか、現状何が足りないのか等の棚卸し | ・現状から理想状態に行くには、今何が足りない? |
自分の 強み等の把握 | 強みや課題、癖や特性の棚卸し | ・今使えるリソースはなに? ・これまででうまくいった時はどうやっていた? ・どんな時に行動が止まりやすい? |
アクション | 何から行動するかを考えて、セッション後に実行 | ・最初のステップはどこを目指す? ・いつまでに何をする? |
振り返り | アクションを起こした結果を共有 | ・よかった点/反省点は? ・今回学んだことは? |