コーチングの構造

コーチングの進め方は、コーチングの種類(ライフコーチ、パフォーマンスコーチ、ビジネスコーチ、エグゼクティブコーチなどコーチングには様々な種類があります)やコーチ個人もしくはクライアントの好みによって異なります。ただ、コーチングセッションの構造自体には多くの場合共通の要素があります。

コーチングプロセス

コーチングセッションは多くの場合、以下の図のようなフローで構成されています。

  1. 信頼関係の確立:コーチングのプロセスは、コーチとクライアントが信頼関係をつくり、コーチング上での関係を理解、合意するところから始まります。相手に「これを話しても大丈夫」と思えなければ率直な感情のシェアはできませんし、相手に自己開示できないと思わせてしまえば正直コーチはセッションが始まる前にコーチ失格です。
    また、コーチングでは、コーチとクライアントの役割が分かれています。コーチはアドバイスや指示はせず、クライアントが自己理解を深め、これまでできなかった新しい考え方や行動にチャレンジするのをサポートします。一方、クライアントは、自ら考えてアクションを起こすことにフォーカスし、自身の決断と行動に責任を持ちます。コーチとクライアントは同じ船で旅路を進んでいきますが、それぞれの役割と責任があるのです。
  2. 現在地の確認と目標の設定:このコーチングでどんな目標を達成したいのか、そして何のためにそれを達成したいのかを一緒に探りながら、明確にしていきます。「こうなったらいいのに」という思いや願望を具体的な「目標」にするステージです。
  3. 棚卸し:コーチとクライアント強み、弱みや癖や特性、今使えるリソースを確認し、今から目指す目標達成のために何が必要か、そしてどんな障害(リミッター)が予想されるかなどを一つずつ明確にしていきます。
  4. アクション:目標達成のためのステップを具体的にし、今から開始できるアクションプランに落とし込みます。行動を起こすのはクライアントですが、途中で目標から外れてしまったり、先延ばしにしてしまう時などはコーチが指摘し、一緒に対策を考え目標に向かって進み続けられるようにサポートします。
  5. 振り返り:アクションを起こした結果、何につながったのか。良かった点、まだ足りない点、学んだことなど次のアクションに繋げるための振り返りをします。

ここで重要なのは、コーチングの構造は柔軟であるべきで、クライアントのニーズや特性に合わせてカスタマイズしていくことが可能だという点です。コーチはクライアントが決まった道筋をその通り歩くのを監視する監視員ではなく、クライアントの目標達成のパートナーであり、クライアントが自分に合った方法で目標達成に向け進んでいくのをサポートする存在なのです。